2023年 ありがとうございました
2023年、今年を振り返ると多くの良いご縁に恵まれ、クスナミキ・ギャラリーを利用してくださった方々、訪れてくださった方々に大変刺激を受けた一年となりました。
皆さまのご厚情に心より御礼申し上げます。来年もじっくりじっくりと。
2024年も皆さまにとり、良い一年となりますように。
クスナミキ・ギャラリー
お知らせ
2023年、今年を振り返ると多くの良いご縁に恵まれ、クスナミキ・ギャラリーを利用してくださった方々、訪れてくださった方々に大変刺激を受けた一年となりました。
皆さまのご厚情に心より御礼申し上げます。来年もじっくりじっくりと。
2024年も皆さまにとり、良い一年となりますように。
クスナミキ・ギャラリー
期 間:2022年9月3日(土)- 9月21日(水)
時 間:10:00 – 17:00
定休日:月曜・火曜(臨時休業 18-19日)
場 所:クスナミキ・ギャラリー
主 催:クスナミキ・ギャラリー
入場料:無料
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こんにちは、クスナミキ・ギャラリーです。
クスナミキ・ギャラリーの第3回目の企画展『CORNER by Noritake』のレポートです。
イラストレーター・Noritakeによるシルクスクリーン作品の展示『CORNER』を開催しました。
Noritake
広告、書籍、ファッション、プロダクト制作など国内外で活動するイラストレーター。デザイン、ディレクション、作家活動もおこなう。近著に『WORKS』(グラフィック社)、『へいわとせんそう』(谷川俊太郎・文/ブロンズ新社)などがある。 noritake.org
インスタグラム : @noritake_org
Noritakeさんご本人がこれまでに制作したシルク作品の中からギャラリーに合う作品をセレクトしてくださいました。本展は、2021年10月、フィンランド・ヘルシンキにあるCafe Aaltoにて好評を博した同名展の巡回です。
今回は、シルク作品が19点、書籍、ステーショナリーやTシャツ、トートバッグ等のオリジナルグッズが種類豊富に並びました。その充実したラインナップは、まさにNoritakeワールドを作り出し、イラストの魅力をたっぷりとご堪能いただけたと思います。
モノクロドローイングを基本としたNoritakeさんのイラストは、シンプルで清潔感があり、見る側の想像力が刺激されます。
どんなことを考えている顔なんだろう。どんな色をしているんだろう。
お客様に「この犬、なんて言っていると思います?」と聞かれ、自分が感じ取った印象でお答えすると、その方は真逆の印象を受けられていて、「性格が出ますね!」と笑い合いました。
同じものを観ているのに人によって、全く違う印象を持つのが面白いなと改めて感じました。
会期中、台風などの天候不良の影響を大きく受けましたが、お足元の悪い中たくさんの方に足を運んでいただきました。
当初は、18日までの会期でしたが、台風の影響で2日間臨時休業をせざるを得なくなり、Noritakeさんのご厚意で会期を9/21(水)まで延長させていただきました。延長したことにより、来れるようになったとの声もいただき、本当に良かったです。
本展の開催を快く受け入れてくださったNoritakeさん、スムーズなやり取りで遠隔で本展を完成させてくださいました。心から感謝いたします。
クスナミキ・ギャラリーにとりましても、多くを学ばせていただいた大切な時間となりました。
ありがとうございました。
期 間:2022年5月19日(木)- 5月22日(日)
時 間:10:00 – 18:00
定休日:会期中無休
作家在廊:全日程
入場料:無料
場 所:クスナミキ・ギャラリー
主 催:クスナミキ・ギャラリー
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『市原明華展 ー佇むー』のレポートの続きです。 レポート #1
今回は展示に合わせて、コラボやトークイベントの企画をしました。
クスナミキ・ギャラリーのお向かいにある La Rossa ロッサ焙煎所さんのご協力を得て、本展会期中の三日間、オリジナルブレンドコーヒー《明華ブレンド》(Hot / Ice)を La Rossa ロッサ焙煎所のメニューに加えていただきました。ロッサ焙煎所は、宮崎で人気のロッサコーヒーの焙煎所で、コーヒーのテイクアウトや豆の販売もされています。
オーナーの宮本さんにコラボのご相談をしたところ、快く引き受けてくださり、初夏の気候にピッタリの爽やかなフレーバーをブレンドしてくださいました。
多くの方が展示を観た後に飲んで行ってくださり大変好評いただいた為、途中でコーヒー豆がなくなりそう!と慌てて焙煎する一幕もあったそう。この楠並木通りにこういった散策としての人の流れが出来るとステキだなと思います。
また、《明華ブレンド》のコーヒー粉とドリップパックをクスナミキ・ギャラリーでも数量限定で販売しました。こちらも初日でほとんど売れてしまった程ご好評いただき、急遽商品を補充していただきました。最終日には用意したラベルシールもなくなってしまい、市原明華さんがご自身の篆刻印を押してパッケージ作りを。こんなことを展示中にやることになるとは思ってもみなかったでしょう。
予想を上回る反響に驚き、嬉しいチャレンジとなったことに感謝しています。3日間フル回転でご尽力いただいたロッサ焙煎所の皆さんのおかげで、本展がより一層充実したものになりました。
そして、本展オリジナルアイテムをご紹介。
クリアファイル、ぽち袋(2種類)、ポスター(A2サイズ) の3点をクスナミキ・ギャラリーにて販売しました。作品を身近に置いて気軽に楽しんでもらえたら、と市原さんと企画したオリジナルアイテムです。
市原さんの教室の生徒さんたちがとても大事そうにクリアファイルを持って帰られるのが印象的でした。小学生の女の子が学校で使いたいとお母さんにおねだりしている姿も微笑ましく、宿題を入れるファイルにこれを使っている様子を想像すると格好良すぎて感動しました。
『面壁』のビジュアルイメージは、クスナミキ・ギャラリーでカメラマンの林 成志さんに撮影していただきました。素晴らしいアートワークとなったこと、とても感謝しています。
さらに本展最終日には、書家 市原明華と漆工芸作家 宮城壮一郎氏のトークイベントを開催しました。
[市原明華展|特別トークイベント]
市原明華 × 宮城壮一郎『作品解説と[道具]についての話』
2022年5月22日(日)11:00〜12:00
場所:クスナミキ・ギャラリー
最終日の日曜日、よく晴れた気持ちの良い日になりました。
たくさんの方が会場にお越しくださり、立ち見の方も。
良い作品制作に欠かせない道具について、お二人がどんな道具を使っていらっしゃるか、道具に対してどんなこだわりがあるかお話いただきました。
書と漆工芸の共通点は、中国から伝わった文化であることと材料や道具に自然由来の素材を使うことでしょうか。その自然由来の素材が近年では数が減ってしまったり採れなくなったりして道具を作るのもままならない状況に追い込まれてきているとのこと。限りある資源を大事に大事に使っているのだそうです。自然由来から人工素材へ置き換えることはできるのか、というご質問がありました。お二人とも別の素材を模索し、チャレンジは続けているが、なかなか難しいとおっしゃられていました。
良い素材があって、道具を作る職人がいて、それを使って作る作家がいて、この世に心を潤す作品が生み出されているのですね。
クスナミキ・ギャラリーではじめて企画したトークイベントだった為、準備などにバタバタしてしまい反省点も多々ありましたが、お二人の専門性の高い分野の貴重なお話を伺えたとても充実した時間となりました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
市原明華さんは、準備期間がタイトな無茶なお願いにも拘わらず快く引き受けてくださり、『佇む』に当ギャラリーへの思いも込めてくださいました。それだけではなく、企画やDM配りまで一緒にやってくださり、気さくでアイデア豊富な市原さんにたくさん引っ張っていただきながら多くの時間を共に過ごすことができ、刺激的で笑いに溢れた素晴らしい経験をさせていただきました。心より感謝いたします。
ロッサコーヒー 宮本さん、宮城さん
DMを置かせていただいた店舗の皆さま、その他多くの方々に支えていただき、本展が無事に終えられたことに感謝しております。ありがとうございました。
photo : Seishi Lin
graphic design : Scenery of Design
期 間:2022年5月19日(木)- 5月22日(日)
時 間:10:00 – 18:00
定休日:会期中無休
作家在廊:全日程
入場料:無料
場 所:クスナミキ・ギャラリー
主 催:クスナミキ・ギャラリー
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こんにちは、クスナミキ・ギャラリーです。
第2回目の企画展『市原明華展 ー佇むー』のレポートです。
楠並木の葉が若く生き生きとした黄緑色になる初夏に、県内外で高い評価を獲得している宮崎県宮崎市出身の書家 市原 明華さんの個展を開催しました。
市原 明華 (Meika Ichihara)
1985年宮崎市生まれ。書家。十駕書道会主宰。 大東文化大学文学部書道学科卒業。同大学にて勤めた後、2016年に拠点を宮崎に移す。作品制作、弟子の育成、執筆など幅広く活動中。
インスタグラム : @meika.shodo
今回は、市原明華さん自身にとって初めての試み、空間を題材として書作に花を組み合わせた展示となりました。制作に使用する道具の数々もインスタレーションとして展示され、「書作のある空間」が体感できる演出をしてくださいました。ギャラリー全体が凛とした空気に包まれ、背筋が伸びるような非日常を感じられる空間が出来上がりました。
DMやポスターのメインビジュアルにもなった『面壁』
市原さんが書き上げるのに最も苦心された作品で、一番最初にトライしてからこちらの作品が出来上がるまで10年の歳月がかかっているのだそう。『面壁』は達磨(だるま)禅師が9年間、壁に向かって座禅を組んでついに悟りを開いたという故事。この作品を書き上げることが、市原さんにとってまさに『面壁』だったということです。実際に作品の正面に立つと、圧倒的な迫力、エネルギーを感じずにはいられません。また、市原さんご本人が生けた杜若の美しさも作品の魅力を最大限に引き出しています。
『蝉聲』
今回は、新作を含む6点がクスナミキ・ギャラリーに並びました。元々タイトなスケジュールでのお願いにもかかわらず、本展にあわせて新作を4点も制作していただきました。(こんな無茶をしたのは初めてのことだそう・・・)
こちらの『蝉聲』も新作のうちの一つで、2年前に制作された『面壁』と比べると、墨の色も余白も白を引き立てた作品になっていますね。「どうしてこの題材を選ばれたんですか?」とお尋ねすると、「真っ直ぐな線は技術がよく表れるもので、真ん中に一本真っ直ぐ線を引くものにずっと挑戦してみたかったから」とおっしゃっていました。日々の鍛錬による技術と表現力、新しいことに挑戦する精神力、そのどれもが高いレベルで積み重ねられ、この一枚の紙の上に凝縮されているのだと思うと、ため息がこぼれて見惚れてしまいます。
制作道具にこだわりがない、とおっしゃる市原さんですが、展示された道具の一つ一つが素晴らしくステキなものばかり。筆、墨、紙、篆刻印、印の色、表装、花、花器等々、作品を構成する多くの要素に対してこだわり抜き、細部にまで美意識を貫いているからこそ生み出される一貫性。作品のトーンはそれぞれ異なるのに、バラバラな印象がないのはそういった作家のきめ細やかな向き合い方の表れではないかな、と感じました。
書作を観る時、つい何と書いてあるのか読もうとしていますよね?それをまず把握しなくてはいけないような気さえしていました。
しかし市原さんは、「読もうとしないでください」とおっしゃっていました。「何と書いてあるか、どういう意味なのかではなく、文字を題材とした表現として観てほしい。これ好きだなとか、カッコいいなとか、面白いなとか、絵画を観る時と同じように作品を観て感じたままで良いんです」と。
実際に、作品一つ一つの説明をお聞きすると、まずは文字の形や造りで題材を捉えていらっしゃることがよく分かりました。
本展を観に来てくださった方の中にも「今まであまり書を観る機会がなくて。書をどう楽しんだら良いのですか?」とご質問くださる方が何人かいて、市原さんの説明を聞いた後は「それで良いんですね!」と嬉しそうにされていたのが印象的でした。また、「白を残す」という市原さんの目指す表現は他ジャンルでの表現でも共通するところがあり、受け取り手が想像する余地を残すことの価値や難しさについて、ご自身のジャンルと重ねて共感されていたお話が大変興味深かったです。
また、本展に合わせてコラボやトークイベントを行ったので、その様子はレポート #2へ続きます。
photo : Seishi Lin
graphic design : Scenery of Design
期 間:2022年3月5日(土)- 3月13日(日)
時 間:10:00 – 18:00
定休日:会期中無休
作家在廊:3月5日(土)、13日(日)
入場料:無料
場 所:クスナミキ・ギャラリー
主 催:クスナミキ・ギャラリー
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こんにちは、クスナミキ・ギャラリーです。
少し時間が経ってしまいましたが、クスナミキ・ギャラリーの第1回目の企画展『黒木 周 版画展』のレポートです。
こけら落としを飾ってくださったのは、宮崎県都城市出身の版画家 黒木 周さん。
黒木 周 (Shu Kuroki)
版画家。1965年宮崎県都城市生まれ。 多摩美術大学絵画科卒業、同大学版画科副手をへて、ファブリックを貼った板を使った版画・クロスグラフという独自の技法で作品を制作。2002年からは故郷都城市に拠点を移し、作品発表を続ける。
近年ではギャラリープラネットルージュ(パリ)やモンコレクションギャラリー(福岡)、イデーショップ自由が丘店/Café&Meal MUJI 新宿にて個展・展覧会を開催。
また、都城市でカフェを併設したギャラリー兼アトリエのS.A.L galleryを主催。
インスタグラム : @shu_kuroki , @s.a.l_gallery
クロスグラフという独自の技法で制作された黒木 周さんの作品は、抽象的でシンプルな形でありながら温かみと柔らかさにあふれています。そして、優しい色合いに魅せられます。その優しさにあふれた佇まいは、作家の人柄がにじみ出ているように感じます。
展示作品のセレクトと設営は、黒木周さんご本人が。穏やかな心地よい空間を作ってくださいました。見る人の心を和らげ、日常をそっと明るくしてくれるような作品がクスナミキ・ギャラリーに並びました。
今回は、新作を含む25点とこれまでの作品が多数収められた作品ファイル6冊、それと版木も展示されました。
クロスグラフという技法がどのようなものか、板に布を貼って油性と水性の絵の具で塗り分けることで、絵の具が混ざらずに柔らかな境界を生み出していることが版木を見るとよく分かります。布の質感が紙に写し出されるとどう見えるのか、版木と作品を見比べるのも楽しいです。
版木をお手にとってみていただいた方々からも、「どうやって作られているかが版木を見たらよく分かりました」「複数の版を使っていると思っていたけど、一つなんですね」「版木もステキ」と喜んでいただけました。
お気に入りの1枚を集中して選ぶ皆さんの姿が印象的だった窓際の作品ファイル展示。
コロナ禍でS.A.Lギャラリーのカフェ営業を自粛されている期間に過去の作品をまとめられたのだそう。とてもボリュームがあり、見応えたっぷり。その時の気分や天気も影響して、選ぶ作品も違ってきそうです。
一つの作品は15枚程刷るそうで、なぜ15枚なんですか?と黒木さんにお尋ねすると、「クロスグラフの版はそんなに強くないので、トラブルなしで刷れるのが15枚くらいなんです。あと、たくさんの版を用意してまとめて刷るので、それくらい刷ったら次の版に移りたくなるから」とおっしゃっていました。刷り終わる頃に版木が壊れてしまうこともあるそうです。紙にプレスする時にかかる力は相当なものなんでしょうね。
黒木周さんが在廊された二日間は、作家を囲みお話が弾む様子が見られ、色々なお話を伺うことができました。和やかな空気に包まれたその様子から、黒木周さんの作品の魅力、幅広い年代の方に愛されている理由の一片を垣間見ることができたように感じました。9日間の展示、黒木周さんのクロスグラフの世界をご堪能いただけましたら嬉しいです。
クスナミキ・ギャラリーとしましても、素晴らしいスタートを切ることができ、企画展のお願いを快く引き受けてくださった黒木周さん、お力添えいただいた皆様、お越しいただいた皆様に感謝でいっぱいです。皆様からいただいた期待や応援の声を励みに、街の人々にとって気持ち良く集える場所へと成長していけたらと思っています。
photo : Seishi Lin
graphic design : Scenery of Design