黒木 周 版画展| レポート
期 間:2022年3月5日(土)- 3月13日(日)
時 間:10:00 – 18:00
定休日:会期中無休
作家在廊:3月5日(土)、13日(日)
入場料:無料
場 所:クスナミキ・ギャラリー
主 催:クスナミキ・ギャラリー
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こんにちは、クスナミキ・ギャラリーです。
少し時間が経ってしまいましたが、クスナミキ・ギャラリーの第1回目の企画展『黒木 周 版画展』のレポートです。
こけら落としを飾ってくださったのは、宮崎県都城市出身の版画家 黒木 周さん。
黒木 周 (Shu Kuroki)
版画家。1965年宮崎県都城市生まれ。 多摩美術大学絵画科卒業、同大学版画科副手をへて、ファブリックを貼った板を使った版画・クロスグラフという独自の技法で作品を制作。2002年からは故郷都城市に拠点を移し、作品発表を続ける。
近年ではギャラリープラネットルージュ(パリ)やモンコレクションギャラリー(福岡)、イデーショップ自由が丘店/Café&Meal MUJI 新宿にて個展・展覧会を開催。
また、都城市でカフェを併設したギャラリー兼アトリエのS.A.L galleryを主催。
インスタグラム : @shu_kuroki , @s.a.l_gallery
クロスグラフという独自の技法で制作された黒木 周さんの作品は、抽象的でシンプルな形でありながら温かみと柔らかさにあふれています。そして、優しい色合いに魅せられます。その優しさにあふれた佇まいは、作家の人柄がにじみ出ているように感じます。
展示作品のセレクトと設営は、黒木周さんご本人が。穏やかな心地よい空間を作ってくださいました。見る人の心を和らげ、日常をそっと明るくしてくれるような作品がクスナミキ・ギャラリーに並びました。
今回は、新作を含む25点とこれまでの作品が多数収められた作品ファイル6冊、それと版木も展示されました。
クロスグラフという技法がどのようなものか、板に布を貼って油性と水性の絵の具で塗り分けることで、絵の具が混ざらずに柔らかな境界を生み出していることが版木を見るとよく分かります。布の質感が紙に写し出されるとどう見えるのか、版木と作品を見比べるのも楽しいです。
版木をお手にとってみていただいた方々からも、「どうやって作られているかが版木を見たらよく分かりました」「複数の版を使っていると思っていたけど、一つなんですね」「版木もステキ」と喜んでいただけました。
お気に入りの1枚を集中して選ぶ皆さんの姿が印象的だった窓際の作品ファイル展示。
コロナ禍でS.A.Lギャラリーのカフェ営業を自粛されている期間に過去の作品をまとめられたのだそう。とてもボリュームがあり、見応えたっぷり。その時の気分や天気も影響して、選ぶ作品も違ってきそうです。
一つの作品は15枚程刷るそうで、なぜ15枚なんですか?と黒木さんにお尋ねすると、「クロスグラフの版はそんなに強くないので、トラブルなしで刷れるのが15枚くらいなんです。あと、たくさんの版を用意してまとめて刷るので、それくらい刷ったら次の版に移りたくなるから」とおっしゃっていました。刷り終わる頃に版木が壊れてしまうこともあるそうです。紙にプレスする時にかかる力は相当なものなんでしょうね。
黒木周さんが在廊された二日間は、作家を囲みお話が弾む様子が見られ、色々なお話を伺うことができました。和やかな空気に包まれたその様子から、黒木周さんの作品の魅力、幅広い年代の方に愛されている理由の一片を垣間見ることができたように感じました。9日間の展示、黒木周さんのクロスグラフの世界をご堪能いただけましたら嬉しいです。
クスナミキ・ギャラリーとしましても、素晴らしいスタートを切ることができ、企画展のお願いを快く引き受けてくださった黒木周さん、お力添えいただいた皆様、お越しいただいた皆様に感謝でいっぱいです。皆様からいただいた期待や応援の声を励みに、街の人々にとって気持ち良く集える場所へと成長していけたらと思っています。
photo : Seishi Lin
graphic design : Scenery of Design